似顔絵とイラスト・コラージュのSHIORIのブログ

イラストレーターSHIORIは東京・大阪を活動拠点に書籍や文具やコラージュを中心に活動しています。

そらまめの話

2010.02.20

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そらまめの話。


都会を離れて、田舎へ引っ越した人がいた。
彼はサラリーマンをやめて、農業を始めるという。
初めての農業。
最近は、エコとかスロウライフというのが流行っているようで
有名なデザイナーさんが週末だけ畑を耕して、農業をしてたりする。
そんな時代。


けれど、本気で農業をするとなると、
ものすごいチカラがいる。
失敗しても、コマンドキー+zさえ押せば、
簡単にもとにもどせてしまう、そんな世界とは違う。


彼は、たくさんの野菜を育てた。
畑には立派な白菜が、ころんころん。
キムチにしたり、白菜鍋を楽しんだり。
農業生活は順調にみえた。


けど、ある日のこと。
畑に植えた、たくさんのそらまめが
枯れていた。
そらまめは、空に向かって伸びるはずなのに
気づけば、全部、しわしわだった。
何ヶ月もかけて、一生懸命、一生懸命。
大切に育ててきたそらまめ。
どうして。


原因は、早く育ちすぎたからだった。
寒い冬になる前に、成長しすぎてしまったそらまめたちは
その大きな体を、冬の寒さから守ることができなかった。
彼はとてもとても悲しそうだった。
早くまきすぎたのかと、悔やんだ。


けれど、そんなとき、
枯れてしわしわになったそらまめの根元に
きれいな黄緑色のものが見えた。
それは新しい芽だった。
他よりも成長が遅く、大きくなれなかったそらまめたちが
ちょこんと。
あたりまえのように顔を出していた。
そんなにたくさんはなかったけれど
彼は、それを大事に大事に育てた。
そしてそれは、そらまめになった。とても見事なそらまめだった。


そらまめの話を聞いた。
そのときに思った。
それは
何事も、はやければよい、というわけじゃないということ。
何事も、タイミングが大事だといういこと。


それは決して
のんびりしすぎるというわけでなく。
あれもこれも、はやくはやくと
焦ることがあったとしたら
今思う一番大切なことから、順番に。
それを確実にやりとげることが大事だと思った。


そうする上で、早いに越したことはないのかもしれない。
けど、必要なのは、ものすごい早技よりも
それを見極める目だと思った。


お仕事も、プライベイトも。
なんだって、そう。
マイペースがゆえに
おしりをたたかれることはしょっちゅうだけど
そのときそのとき、見えることを大切にする。
そういう目を養うということ。